Project Story||Jin Peng

自分の世界観を貫徹する映像を作ることに、価値があると思う / Inferiority complex

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今の時代、映像は宣伝手法やエンターテイメントとして大量に作られ、一種の消費品になっています。80年代の実験映像みたいに自己表現のために作っているものは珍しくなってきました。今その時代を振り返ると、映像作家にとっていい時代だったと思います。

 

映像という技術は今日まで発展してきてさまざまなジャンルが生まれてきましたが、どんなジャンルでも創作者の世界観を表現することが大事ではないでしょうか。

 

荒木経惟さんからもらった信条

2〜3年前、中国の「一条」というインターネット番組で、荒木経惟(あらき のぶよし)さんのインタビューを見ました。そのインタビューの中で、荒木さんは自身の創作方針について語っていたのが印象に残っています。

 

荒木さんはアジア中で写真家として活躍していますが、女性差別や過剰なエロさなどが原因で、女権主義の方に非難されることが多くありました。

 

ただ、そのインタビューの中で、荒木さんが自分の創作を分析し、被写体の女性や花、空に対する観点を語っているのを見て、単なる創作方針ではなく、自分なりの哲学が完全にできているんだなと感じました。

それがきっかけで、自分の企画を作る際に、自分の観点がポジティブかネガティヴかということに関係なく、「きちんと自分の世界観を重視しながら、作らないと」と意識しはじめました。

 

「Inferiority complex」の世界観

今回のこの「Inferiority complex」の映像、自分の世界観を表すために作りました。人間はさまざまな欠点を抱えている存在です。でも、その事実を認める人はそんなにいないかもしれません。

 

もちろん、人間の欠点に注目するのは、人間を批判するためではありません。人間の欠点に注目するからこそ、自分の問題が改善できるだろう。自分の観点を徹底的に貫徹できれば、力が強いものが作れると思いました。

 

世界観に適切な表現手法

映像を作る場合、内容に最適な形式を見つけることが一番大事だと思います。今回のこの企画はワンシチュエーションと短い尺という手法で作りました。

 

なぜなら、会話以外の情報量を最低限にして、見る側を会話に注目させたかったからです。伝えたいメッセージがあったので、シンプルな形式が一番適切だと考えました。

 

自分にとって価値がある映像作品は、強い世界観とその世界観を伝えるベストな形式が必要です。この二つの条件が揃ったらら、ちゃんとした自己表現ができ、価値のある作品を作れるのだと思います。

 

映像を観る:『Inferiority complex