iPhone12 Proの動画撮影機能はプロと素人の垣根を取り払うのか【検証してみた】
既知の通り、iPhone12proシリーズはDolby Vision対応HDRビデオ撮影対応をはじめとした最新機能が搭載され、飛躍的に動画性能がグレードアップしました。iPhoneの持つ高性能なAI機能の恩恵を受け、カメラの知識がなくてもiPhoneが自動的に「いい感じ」の設定に調整をしてくれます。
もはやiPhone1台で誰もが「それっぽい」映像を撮れる時代に突入したと言っても過言ではないでしょう。
iPhone12proでプロと素人に動画を撮らせてみた
いきなりですが、2つの映像を見比べていただきましょう。どちらも1分ほどの尺なので、サクッとご覧いただけます。
▼動画A
▼動画B
いかがだったでしょうか。
タイトルでお気付きかと思いますが、この2つの動画、1つは撮影の素人(筆者)がiPhone12 Proで撮影&編集をした動画で、もう一方はプロのディレクターが同様にiPhone12 Proで撮影&編集をした動画です。
さて、どちらがプロが撮った動画か分かりましたか?チラッと見だけでは、分からないのではないでしょうか。
エレファントストーンのメンバーに見比べさせてみた
実際に、映像の制作会社であるエレファントストーンの社内メンバーにも2つの動画を見てもらいました。(もちろんどちらがプロの動画か?は伏せて。)視聴後にアンケート(N=23)を採ったところ、興味深い結果が出ました。一緒に覗いてみましょう。
※プロのディレクターが動画A、素人(筆者)が動画Bでした。
Q.1:どちらの映像が良かったですか?
A:16票(70%) B:7票(30%)
素人(筆者)はo票を覚悟しましたが、かなりの健闘にびっくり。(すごく嬉しい)
Q.2:良かったと思ったその理由は?(「カメラの設定」、「カメラアングル」、「雰囲気や演出」、「動画の構成や繋がり」、「編集」から複数選択)
一番多かった回答が「カメラのアングル」と「雰囲気や演出」で同票の17票(74%)、次点で「動画の構成や繋がり」16票(70%)、「編集」13票(50%)となりました。
「カメラアングル」や「動画のつながり」の様な、「経験」や「引き出しの数」に紐付く要素が大きく起因する結果に。この辺りはプロとの差が出そうですね。
動画のスピード感や、見ている時の気持ちよさの様な部分は、料理と同じで、当人の腕次第で違いが生まれるようです。
Q.3:そんなに違いがなかった要素は?(「カメラの設定」、「カメラアングル」、「雰囲気や演出」、「動画の構成や繋がり」、「編集」から複数選択)
一番多かった回答が「カメラの設定」で11票(48%)、次点で「雰囲気や演出」が7票(30%)でした。
これらは「パッと見た時の画の感じは違いがわからない」と言う意味なのだと解釈しました。
前述したiPhoneの自動調整機能の凄さが改めて分かります。素人からすると、カメラでつまづきがちな「カメラの設定」を特にいじることがなく自動で設定してくれるのは本当にありがたいですね。
サマリー:iPhone12 Proがもたらすものと、プロとの差が出る部分
- iPhone12 Proがもたらしてくれたもの:サッとカメラを起動するだけで、自動でいい感じのカメラ設定・画のタッチにしてくれる世界。
- プロと素人の差が出るもの:動画の全体のストーリーや構造を把握した上で、意図しながら撮影素材を集めて繋げること。
アンケートのフリーコメントに、結果を一言でまとめる様なものがありました。
「カット単体の綺麗さでは変わらないですが、テンポ、躍動感などが違うと思いました。」
動画撮影がより身近になった今、自動で「いい感じの画」にしてくれるiPhoneは、ある意味革命的と言えましょう。
YouTubeやNetflixなど、身近なところでプロの素晴らしい映像作品を観ることが出来ます。自分が好きなアングルだったり、自分が好きな動画のストーリーや構成をストックして、引き出す練習も気軽に出来てしまうのです。
もはやプロとの垣根が無くなる時代も、そう遠くはないかも知れません。