実写と2Dアニメーションを合成した映像表現の可能性について
実写とアニメーションを合成した映像作品は、すでに新しい表現ではありません。
映画やCM、MVなどで頻繁に観られている表現かと思います。
また、アニメーションにも、2DやCG、手書きアニメなどさまざな表現がありますが、
今回は実写と2Dアニメーションを合成した作品についてフォーカスして、
その映像の表現の可能性について探っていきます。
MVにおける実写+アニメーション
MVの世界では、実写にアニメーションがよく使われています。
アニメーションを使うことで、実写では難しい多彩な表現や曲のイメージや世界観を引き出すことができます。
特に歌詞を見せることに主軸を置いたMV「リリックビデオ」では、
実写映像に歌詞を飽きずに伝わりやすくするための工夫がアニメーションで演出されています。
「Sigrid – Don’t Feel Like Crying」のリリックビデオは、
画面に数フレーム以上続くショットがほとんどなく、観る人を飽きさせない演出が施されています!
「Bon Iver – iMi」のリリックビデオはかなりシンプルです。
目に付くアニメーションは冒頭に集約されていますが、曲のリリックは常に画面の気持ちいいところに配置されています。
写真家/映像作家Frank Lebonの世界
ここで写真家/映像作家であるFrank Lebonの制作したMVを取り上げたいと思います。
「Mount kimbe – delta」
彼のアニメーションは実写映像を素材として使用しており、1フレーム毎に印刷して映像として再構成したり、
コラージュ表現ではあえてセロハンテープを残すなど、すべてが手作業のアニメーション(恐らく・・・)。
彼の作品は、実写とアニメーションの境界線を曖昧にし、実写とアニメーションを融合した作品群の中でも独自の世界を生み出しています。
この記事を書くにあたってネットでリサーチをしていたのですが、
押井守氏の「すべての映画はアニメになる」だとかアヴァロン(映画)などについて読む機会も多く、
実写とアニメーションの違いってなんだ?と混乱しました。
例えば、実写で撮影した俳優の皮膚のシワ・シミとかを作品の希望に合わないものとして排除した場合、
それはもうアニメーションとなんら変わりないとは思いませんか?
編集や加工、後処理によってコントロールすれば、実写であってもアニメなのかもしれない・・・!
なんてことを考えながら今日は終わりたいと思います。