実写映像の幅を広げてみよう【ロトスコープ、実写合成…etc】
アニメーション表現やCGが身近になった現代、一風変わった実写作品がすごく身近になっていますよね。
今回は、いつかはやってみたいなと個人的に思っている表現の中で、実写とアニメーションを上手く駆使したものを紹介します。
ロトスコープ
これは、一度は誰もが憧れる表現なのではないでしょうか。
実写映像を元にアニメーションを作成するアニメやVFXの制作技法のひとつで、モデルの動きをトレースして、それを元に着色、線画しアニメーションを作るという手法です。
一見手書きのセル画アニメーションに比べて、難易度が低いかと思いきや、これはこれで骨が折れる作業であることはも違いありません。
ビフォアシリーズで有名なリチャード・リンクレイター監督の作品の中に、二つロトスコープで作られた作品があり、通常のアニメーションとは異なり、実写の輪郭のリアルさを感じさせつつ、アニメーションの自由さを備えることで、哲学的な世界観、様相を呈しています。
実写合成
映画で言うとロジャーラビットであったり、
クールワールドなど、
実写映画に手書きアニメーションを合成する手法は昔から存在していますが、それをしっかり高いクオリティで描き切った例は中々ないですね。
今ではCGなどで実写合成を行っていますが、昔のアナログなやり方もそれはそれで味がありますね。
第四の壁を壊す
幅を広げる方法は、アニメーションだけでもありません。
第四の壁(The Fourth Wall)とは、演劇などにおいて、観客席と舞台の間に概念上、存在する壁のことを指します。
つまり、現実とフィクションの間に横たわる見えない壁であり、19世紀ごろ生まれた概念だと言われています。
もちろん、演劇のみならず、映画にも当てはまります。
この第四の壁を壊す(Breaking The Fourth Wall)とは、映画の登場人物が、映画を見ている観客に向かって話しかけたり、そうでなくても、観客がいることや自らがフィクションの中に生きていることを認識した行動やセリフを発したりすることです。
映画監督のウディ・アレンがしばしば好んで使う方法で、有名なアニーホールや人生万歳などで随所に使われています。
スパイク・リーも使用していますね。
急にキャラクターが話しかけてくるのは、びっくりしますが、それと同時に注意を一気に引きつけられて、親近感が無意識的に湧いてきます。難しい手法ですが、とても面白い効果をもたらしてくれます。
いかがでしょう。
今回はどれも比較的古いの作品をチョイスして、実写の可能性を広げる様な表現手法を紹介しました。
今見てもすごく面白く感じるのは、ストーリーや手法そのものの目新しさもありますが、高いクオリティで突飛な手法を昇華させているからでもありますね。