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POV(一人称視点)撮影するうえで工夫したポイント・改善点を振り返る

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こんにちは!エレファントストーン馬場です。
前回の記事に続き、今回は先日公開した作品「New Age」について、メイキング的な方面で実用的な情報をお届けします!
※一部専門的な用語の出てくる箇所がございますがご了承ください。

▼本作については、こちらからご覧ください!

カメラについて

まずは前回の記事でお伝えしたPOV撮影用のカメラについてです。といっても、それ専用のカメラというわけではなく、今回は一眼をヘルメットに固定する形で実装しました。

機材の構成としては、左から、

  • バッテリー(後頭部)
  • 確認用ディスプレイ件送信機(頭頂部)
  • 一眼レフ+ワイヤレスフォーカスコントローラー

このようになっております。

実際に撮影するときはこのように手元のディスプレイに映像が来るので、それを見ながらワイヤレスフォーカスを調整してピントを調節します。これがあると手元のコントローラーを回せばレンズに付けたワイヤレスフォーカスのギア連動し、ピントを動かしてくれます。

頭部のモニターは使わないかなと思っていたのですが、役者の後ろに立って立ち位置を微調整する時に非常に役に立ちました。

特に、絶対にここは決めたい!というアングルがあるとき、役者の立ち位置や首の角度の微調整をする必要があるのですが、本人はその映像が見えません。なのでこちらで体をや頭を支えて調整する必要があります。その時、両手がフリーにできて三脚の上のカメラを扱うように調整できます。繰り返しテイクを重ねる中で毎回立ち位置を合わせてから撮影するので、これのおかげでスムーズな撮影ができました。

このリグはカメラマンをしてくれた奥野Dが撮影の前日、一晩で組んでくれました。

かぶっている本人からは映像が見えない。そして前も見づらい。かなり重い。

撮影中は離れて手元のモニターを見ます。

CG合成について

実はかなり誤算の大きかった個所です。カメラトラッキングが上手くいかず作業時間がかかり、それでもどうしてもトラッキングができない!という箇所が生まれてしまいました。これにより3割くらいの演出をボツにしてしまいました・・・。
特に難しかったのは、本編0:40のあたりのタイル張りのロケーションです。

コントラストもついた模様なので行けるだろうと思っていたのですが、カメラの移動速度が早いせいか、隣あったタイルを誤認して追跡してしまい、全然トラッキングができませんでした。それでも手動を組み合わせてどうにかトラッキングはできたのですが、一部カメラ速度が早すぎる箇所はどうしても出来ず、泣く泣くその部分はお蔵入りに・・・。

解決策としては、

  • 類似する模様のない場所を選ぶ
  • カメラの振りを早くしすぎないorカメラのシャッター速度をかなり早める

どちらも実写合成をする際には基本的な事項ですが、POVでの撮影の際にはかなり注意しなければならない点でした。

光るクリスタル

こちらのカット1:45で手の中で光る石。これはどうやっているかというと

このような感じで、モバイルバッテリーにLEDテープをつないで、それを石と一緒に握りこんで実際に光らせています。切ってつなぐだけの簡単工作で出来るので、今後もちょっとした演出に使えそうです。

いかがでしたでしょうか。POV×実写合成というチャレンジを行いましたが、思ったよりもうまくいかないことが多く、今回の制作を通じてたくさんの学びがありました。

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