Project Story||Yuki Yokoyama

【メイキング】映像作品”Pink Elephant”ができるまで

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今回は、私がbacterでの2作目、”Pink Elephant“を作ろうと思ったきっかけと制作過程について書きたいと思います。

いい加減に飽きたフリー素材

bacterの2作目を撮りたいなと思ったきっかけは、普段の仕事でした。前作の”Rock this Place“のOPでも使用している表現なのですが、煙が出てロゴが出現します。

この煙素材は、YouTube上にある著作権フリーの映像素材から引っ張ってきています。これまでも煙やインクの表現は、YouTubeから著作権フリーのものを検索して使用してきました。

ネット上で自由にダウンロードできることは、時間やお金の短縮になってすごく便利なのですが、いい加減、毎回探すことに飽きたな、自分オリジナルの素材がほしいなと思ったんです。

そこで、「素材撮影がしたい」とディレクターの山部に相談してみたところ、即「いいね!」と言ってもらえました。

私は映像制作者ですが、カメラについてはてんでわからないエディターです。(いつかは勉強したいなと思っています!)

撮影の段取りすらわからないのですが、社内には信頼できる素晴らしいカメラマンや監督がいますし、機材にも恵まれているので、周りに頼りまくりながら進めていきました。

撮影に関して

撮影は2回に分けました。
1回目は素材だけの撮影、2回目はモデルの撮影です。

・1回目:素材の撮影

1回目の素材の撮影は、スタジオは借りず、オフィスの会議室でガラスに暗幕を張り、VAPEという電子タバコを使って行いました。

最初は袋に煙を溜めていたのですが、想像していた以上に扱いが難しい。
そこで、VAPE所持者にそのまま煙を吸って吐いてもらうと……

こちらの方が煙に厚みができて迫力のある映像が撮れました。

 

次に、空気中に漂う粉末の撮影です。
これはVideo CopilotさんのHowTo動画があったので参考にしました。

 

最後に、水槽と絵の具を使ったインクの撮影です。

これに関しては、本当に試行錯誤しながら撮影しました。
絵の具だけじゃなくて、この動画のように金粉を混ぜて撮影しようと思ったからです。

 

 

結果からいうと、(”Pink Elephant“を見てもらうとわかるのですが、)金粉のシーンは使いませんでした。絵の具は水彩、アクリル、油絵の具を試行錯誤して、何ができるかもわからず、めちゃくちゃ楽しみながら撮影しました。

 

・2回目:モデル撮影

2回目の撮影はモデル撮影です。私の強みとして、日本語が喋れないモデルでも英語でコミュニケーションが取れるので、bacterで撮影をするなら外国人モデルと決めています。前回に引き続き今回も外国人モデルをInstagramで探しました。

 

グリーンバックの撮影はあまり慣れていなかったので、経験者の嶺に協力してもらいました。(彼は以前に、『ポケモン着れるかな?(イマクニ編)』でグリーンバックの撮影をしています)

 

背景のグリーンに影ができないように注意しながら撮影しました。

 

▲テスト

 

ただ、今回はハイスピード(HS)で撮影したためノイズがかなり入りやすく、グリーンを抜くのに苦労しました。

最近のグリーンバックを抜くエフェクトも高機能で、ノイズリダクションが付いています。ノイズリダクション、マットチョーク、光彩(内側)を使用しながら本編で使用しています。

 

編集に関して

今作の”Pink Elephant”は、前作の”Rock this Place”と逆のプロセスで制作したので、かなり苦労しました。

 

前回は、撮りたいもの→テーマ→具体的な撮影内容と考えやすいワークフロー。
今回は、撮りたいもの→具体的な撮影内容→テーマと先に考えるべきことが最後という流れだったんです。そのため、編集の段階でかなり悩みました。

 

 

行き詰まったところで、山部に相談して、「サイケデリックな方向性にしよう」ということに。そして、”Pink Elephant”というタイトルにしました。タイトルの由来については“Pink Elephant”のプロジェクトページをご覧ください。

 

ちなみに…

私は毎回、映像に自分らしさを反映させたいと思っています。

前回は昔から大好きな「Brisk」をモデルに持たせていますが、今回は「8mmカメラ」です。実はこのカメラ、おじいちゃんの形見のカメラです。

 

おじいちゃんが写真好きとは知っていましたが、遺品整理するまで8mmカメラを持っているとは知りませんでした。

 

カメラとレンズもたくさんありましたが、なんとなく映像制作会社で働いていることと不思議な縁を感じて、使えるかもわからないこのカメラを引き取りました。

 

そんな背景を含めて、ぜひもう一度”Pink Elephant”をお楽しみいただけたらうれしいです。

 

本編を観る:「Pink Elephant

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