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Canon「Cinema RAW Light」収録とグレーディング / TWO DAY TRIP IN SAWARA BY HOSTEL Co-EDO

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前回の記事では、『TWO DAY TRIP IN SAWARA BY HOSTEL Co-EDO』の企画・構成や佐原の町について書きました。今回は、使用したカメラと設定、撮影時に使用したアクセサリー、DaVinci Resolveによるグレーディングなど、撮影や編集に関する制作秘話を公開します。

 

ぜひもう一度映像をご覧になってから、読み進めてください。

 

 

Canon EOS C200「Cinema RAW Light」を使用

今回の映像で使用したカメラはCanon EOS C200。収録フォーマットは「Cinema RAW Light」です。「Cinema RAW Light」は従来の「Cinema RAW」と比べるとデータサイズが約3分の1〜5分の1の容量と小さく、CFast2.0カードでのカメラ内4K収録が可能です。

 

また、「Cinema RAW Light」録画時は最大で、
解像度:4,096×2,160
カラーサンプリング:10bit
システム周波数とフレームレート数:59.94P
での収録が可能。さらにフレームレートを30P以下に落とせば、12bitでの収録も可能になります。

 

今回は、
解像度:4,096×2,160
カラーサンプリング:12bit
システム周波数とフレームレート数:24P

という設定で撮影をしました。

全編手持ちのドキュメンタリー的な手法で撮影しましたが、「Cinema RAW Light」はRAWほど重くはないうえに階調表現が豊かで、今回のようにしっかりと照明が作り込めない撮影でも効果を発揮してくれました。

 

「ハリウッドブラックマジックフィルター」でハイライト部分に柔らかさを

レンズは
「Canon EF 16-35mm F2.8L Ⅱ USM ø82mm」
「Canon EF 24-70mm F2.8L ll USM ø82mm」
「Canon EF 70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM ø77mm」
「SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM」
の4本を使用しました。

 

また、これまで「Cinema RAW Light」を使用してきた中で、映像が若干硬くなる印象を持っていたため、ハイライト部分の柔らかさを求めてSchneider社製の「ハリウッドブラックマジックフィルター」1/8、 1/4、 1/2も併用しました。

 

「ハリウッドブラックマジックフィルター」は、クラシックソフトとブラックフロストを組み合わせたフィルターで、シミやしわを目立たなくしたり、ハイライトを柔らかくしたりするのに役立ちます。こちらの動画の人物の背後にある照明をご覧いただくと、ハイライトの部分がふわっとした印象になっているのが分かると思います。

 

 

DaVinchi Resolveによるグレーディング

「Cinema RAW Light」で収録したデータを、Canonが配布している「Cinema RAW Development 2.0」を使用して現像。それをAdobe Premiere上でオフライン編集した後、XMLを書き出して「DaVinci Resolve」によるグレーディング、という流れで進めていきました。

 

グレーディングは、町並みの雰囲気と季節感を際立たせるようなコントラストの高いフィルムライクな画面を目指しました。全体的な進め方は、下記のキャプチャの通りです。

 

【0】グレーディング前



【1】Rec709のLUTを当てる



【2】コントラストを調整



【3】彩度を調整

 

また、チェキのファインダー越しのカットには、フィルムグレインを追加したり、コントラストを再度調整したりして、他のカットとの差別化を図りました(ファインダー越しの画が実際にそう見えるわけではありませんが)。

 

佐原の町の木々や花々、古くからある木造の建物、お祭りの山車などの色彩を豊かに表現できたように思います。

 

 

最後に

Canon EOS C200のCinema RAW Light収録は、スタッフ4名という少人数体制、かつ機動力が必要な現場でクオリティを担保してくれました。今回の現場には最適な設定だったように思います。この映像を見た人が、佐原やHOSTEL Co-EDOを魅力的に感じて足を運んでくれれば嬉しいです。

 

映像を観る:TWO DAY TRIP IN SAWARA BY HOSTEL Co-EDO

記事を読む:
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【INTERVIEW】ディレクターから見た”佐原の町”とインバウンドへの見せ方