Interview||Mai Akiyama

「CONTACT DESIGN」に答えの明示はない。だから、捉え方は自由

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10月2日にbacterで公開された『CONTACT DESIGN』は、渋谷・神泉にあるセレクトショップ「R for D」が提案する多様な服・ジャンルレスな着こなしを表現した映像作品だ。

ディレクターを担当した山部哲也は「もともと映画が好きだった」そうだが、映画ではなく服飾の専門学校へ行こうと考えていた時期もあったらしい。

 

「昔はデザイナーになろうと思っていたんです。でも、映画だったらそういうのも含めて色々できるんじゃないかと考えるようになって、映画の専門学校を選びました。そこからですね、映像に携わるようになったのは」

 

そんな話を聞いて、今回こうしてファッションの映像を制作したというのは何かのめぐり合わせのように思えた。

 

本作では、ショップのコンセプトをどのように映像に落とし込んだのか? 記憶に残るシーンの数々はどのようにして生まれたのか? このインタビューを読んだら、もう一度本編を見てほしい。前回とは違って見えるはずだ。

 

山部哲也

鳥取県鳥取市生まれ。2007年上京し、東放学園映画専門学校に入学。卒業後、フリーランスとして活動。WEB映像やMVを中心に映像制作を行う。その後、2016年に株式会社エレファントストーン入社。TVCM、WEBプロモーション映像、大手メーカーのPR映像など、様々なジャンルの作品を手がける。好きな映像作家はChris Cunningham。

 

『CONTACT DESIGN』は「R for D」のコンセプトを一言で表現した

――bacterに限らずなのですが、伝えたいメッセージを企画や映像に落とし込むのって大変ではないですか?

「そうですね。その点は普段の映像制作とあまり変わりはなく、まず『R for D』のコンセプトを理解するところからはじめました。ウェブサイトに載っている文字情報すべてに目を通したうえで、オーナーの近藤さんに2回ほどヒアリングをさせていただいて。

その内容をもとに、今回の映像の核となるワードは何かって思い浮かべっていったんです。考え抜いた末に生まれたのが、タイトルにもなっている『CONTACT DESIGN』でした」

 

――そこから構成が決まっていったわけですね。

「はい。構成の内容はサンプリングの連続なんですよ。冒頭のPOV撮影(Point of View Shot)も、最後にモデルさんが一斉に静止するマネキンチャレンジも、数年前にブームになっていたものです。

“ファッションのトレンドは繰り返される”ってよく言いますよね。映像のトレンドも繰り返してみたら面白いんじゃないかと考えました」

 

アイデアを持ち寄って映像の内容を創造した

ーー『CONTACT DESIGN』誕生のまでの物語を振り返るを読みました。オーナー 近藤さんとスタイリスト 上野さんとの打ち合わせを通して、当初の企画と完成した映像で変わった部分について具体的にお聞きしたいです。

「先ほど述べたラストシーンのマネキンチャレンジは当初の想定にはなくて、服が空中に舞うのをイメージしていました。でも、お店の商品なので投げるのはどうなんだろう……っていう話になって。代替案を検討していくなかで、マネキンチャレンジを取り入れることが決定しました。

 

――そうだったんですね! 他にもそういう大きな変更はあったのでしょうか。

「いくつかありました。服を着るシーンにポエムを表示してデザイナーの方々の声を入れたいとか、最後にモデルさんのインタビューを入れたいとか……。そういう”声要素”を入れようとしていたんですが、打ち合わせの過程で入れない方向性にシフトしました。

声要素を入れてしまうと答えが明確になりすぎてしまうからです。答えを提示するのではなく、自由に受け取ってほしいという想いが3人に共通していました。

 

 撮影や編集を振り返って……

――特にお気に入りシーンはどこですか?

「服を着るシーンですね。寄りで撮影したところ。あれは服にカメラをかぶせて、中から撮ってるのもあるんです。思っていた以上にきれいな画が撮れました」

服の中から撮ってるんですよ!

 

※これがそのシーン

 

――服の質感が伝わる印象的なシーンでした。
それ以外のシーンでもいいのですが、撮影時にこだわったポイントはありますか。

「取り立てて言うほどではありませんが、マネキンチャレンジのポーズをどうするかは悩みました。モデルさんが15名いらっしゃったので、同じポーズにならないように。撮影スタッフと相談しながら決定しました」

 

――インパクトがある演出ですごく頭に残っています。インパクトといえば、シャッター音が入っている音楽もそうでした!

「すごく特徴的な音楽ですよね。音楽にどこを合わせるか、どこを合わせないかはこだわった部分かもしれません。合わせすぎてしまうと面白くなくなって、視聴者も飽きてしまうんです。”はずす”っていうのかな。はまりすぎないようにっていうのは意識しました」

 

この映像はきっと、個々の受け取り方がある

――映像を見てくれた人にメッセージをお願いします。

「MVではないし、ファッションフィルムにしては長いし。『CONTACT DESIGN』はジャンル分けをするとしたら、”どのジャンルになるのだろう……?”と思うような映像に仕上がっています。

既存の概念や定義に当てはまらない曖昧さ。それはR for Dが提案する『ジャンルレスなファッション』にも通じると思います。見た人が自由に捉えてくだされば幸いです。」

 

――最後に、ご自身のファッションのこだわりがあれば教えてください。

「んー

・・・

 

 

・・・・・

 

 

・・・・・・・・

 

 

無理しないことですね(笑)

自分に似合わない服は着ません!」

 

『CONTACT DESIGN』本編

 

<Photo by Jin Peng(金鵬)>

 

映像を観る:CONTACT DESIGN

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